FOR DAVOS


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カーテン越しの美男美女よ
ギタールをかき鳴らす坊や
お父さん世代のフォークソンガー
正直に言えば待っててほしい
朝焼け四時の牛丼をお前と
眼球が乾いてしまうまでぼんやりしていたかった
こうやって過ぎていく街から
充分に育った雑草くん
未来とか恋人だとかに私が教えてやれること
この雪原から
今日と明後日へ送るララバイ
何もかも駆け抜けた春に
わたしの声が聞こえていますか?
沁みると一層傷つくと知っていたのに
あなたの愛をどうか彼女に
けんかと白飯が進む
噛み切る動作とゆるしの言葉
数珠繋ぎの宵
ワセリンの使い方をお前は間違えている
ガソリンを飲ます
お前を燻す
悪戯な銀座
ざまあみさらせアブトロ生活
勇気凛々花の夜
あの手紙は今どうしてる
やさしくなれないバックドロップ
よべばよいのに
そんな感じで憧れてる
朝焼けはニュージーランドに置いてこよう
だから恋人には一生なれない
せめて食卓の花になりたくって
浪々とまずは深呼吸から
ズッキーニ時々頭痛
やんごとなき乞食について
それを人は夜の女王と呼ぶ
激しく咽せてるりむじん
字面は愛しい
筆が震える朝方に
ロバと老婆
千年は痛いとあの子が泣いた





あなたのまつげが濡れないように
その匂いを思い出す日
ぺんぎんは北極に愛想をつかす
山は山ばっかりが悲しい
いびつに見ている
胡乱な交尾
さては侍はどこ行った
あたたら山とアララタ山
郵便事情を訴える
アメリカングラフティーを彼は未だに愛してる
愉快だと言って、そのまま泣いた
人さらい水洗い
テキストの三ページ目は糊付けしてください
ボリュームはとりあえず下げておこう
多分わたしがだめになりそうだった夜に
ずるいずるいと君は笑い
予定は調和させません
こんな具合にスクラップする
実に実にこの味、スーパードライ
破れなかった電話よ
恋はぶりっこと嵐を呼ぶ
大型掲示板に俺の本名来る!の巻
春溶け
海になる年
決算と安産
ザリガニと伊勢エビの関係性
ラジオをとめないで
そんなにそんなにさびしいです
あの歌手にどうか花束を
夕べを食べる
コウト・ジヴォワールという名前の街に
余命いくばくと、星は言った
田は満ち満ちました
かなしい宵っ張り
しょっぱい涙のあべかわ餅
お前にはやれん
アホウ鳥の恋だ
言葉に参らずにはいられないのです
食塩水ですと君は言い切った
弓一本じゃあ何にも射てない





赤道をひたと見定める
水など求めてみたりして
ほんの少しのぎこちなさを乞う
命を一束盗んだ猿
ねむりの浅い恋人たちに
裕福は楽しくなかったと彼は言った
どうぞ銀杏の実にもよろしく
あなたとわたしが乗れない電車
ハルビンという美しい名の街をたずねて
古代史はこわい
山上にのぼった月が、海に墜落死した鳥が、
なまなましき悲しみに
雨は食事になりません
ほろびぬ夕べ
望み、という意地悪
雀のおっとさん、おっかさん
軽やかだった五十日間
外国に宿る
しろじろと箱につめて
永劫とパシフィックバラード
骨をさらした少女たち
東京の調べ
彼はあなたに挨拶しません
其処に置いてきた
濁ってきた夕焼けにはさようなら
引力によろめく海
こわれやすい線路
草原のから箱
マッチ一本涙のもと
暗がりに鍋は光っていた
西のクジラが悲鳴をあげた
あなたの足跡が海に帰れるまで
性別だとか信条だとか
わたしは俺はお前をたすけたいのに
ただ何故だか船は遠ざかっていく
悲しみに喘ぐ声を聞き逃し続けた夜の話
その時虫は涙を流していた
世界のどこかに旅したい
あなたがバラバラになるのを拾い集めても
わたしは何時でも普通に語り合いたい



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