FOR DAVOS


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燈台がさびしいさびしいと走った
山上からの手紙
アルバムは口を揃える
もはや夜です
昔は鳥は恐竜だった
素敵になりたい
雨粒が牧歌のセンセイでした
きみの名前を地中海性気候
あぶなっかしいくらいの愛おしさだね
汽車が嫌がる
籠の中で蛇が泣いている
母よ、父よ、今そこにあるか
かくも地球に焦がれて
どんなにお前が走ってきたかを俺は覚えている
こわれやすい明け方に
はるなつあきふゆのふるまい
点描が痛かった
麦の悩み事
わたしはわすれて
賑やかなさらわれ方
その重さを真似したかった
円周くんにはお別れを
もうどこの道まで来たのか
ふた晩煮たてたサイパン
鳩と永遠について
いぢらしい生き方にこうべを垂れた
むなしい烏さん
もうあの山あじさいを思いだせない
入江で待っている!
予期する満開
うめいていた命に
あなたは異国の笛をみましたか
詩人を布に織りまぜよう
もう死など見なかった
渡し守にはお返しを
死者には広大な緑をあげよう
かわった言葉が好きなのです
電話では遅すぎる
それから人の住む街へ





ラシャでつくられた帽子をかぶり
背骨の先まで砂を詰めて
じぶんの学問に生きてください
スカーフでしばられた鉛筆
朝に匂う靴と共に
恋がはぜる音を聞く
雨がやんだら花もこぼれて
ほぐれる溜息
樹液に今生ましめんかな
命日に咲きたい
詫びる貝殻
書き留められぬ速さで流れた
水平線のむこうの恋人へ
あなたの川にまだ魚はすんでいますか
鏡の理屈
恥じらう曜日
眠れぬ太陽にやれる歌
一晩の湖沼
トロッコを新聞紙に走らせれば
赤子は忘却の川に流す
祈りをおる
小径をやかんにかけたらさようなら
幾千年の若者たちよ
昆虫の翻訳
人の思いに凝る職人
凝視する窓のない日々
渚はいつしか道になり
車とピヤノ
快活に生きることを正義だと考えていた
その一切をなぎ払って
秋は濁るほど良い
その頃若さはたなびいていた
死のひと言について
つつましき楽器
夜がもたない繊細さ
あなたのお辞儀
絶壁はここまで伸びて
ひとつの起点が弾く音
セロハンで出来た寝台
眠れぬつぶやき





文字盤をかじる夜に
フィナーレはまだ鳴り止まない
コブラの首をたずさえて
踏まれぬ大地
絶望は地下へとくぐる
花はあなたを知らなかった
硫黄のほとり
一生をまつ日
両の手で隠しても隠せても
線路はわたしを越えていく
まなこをかえしに走る夜
ビルディングは泣いていた
あの手拍子を覚えていて
海が誰かに答える時は
沐浴では育たぬ樹木
約束は愚かです
透視者のうた
緑のあんずは泣きましたか
たれもかれがよばれてゆくのに
ドンキホーテの種
静脈には別れをつげて
キャベツは死人をつれてくる
いちまいの布を彼に
喜びはもろともに
もうどこまできた、呪文
愛は、あのたたかいは、今どうしていますか
そういう日とは向いあえない
産湯という受難の海よ
悲惨が、悲惨をわらっている
蜘蛛も転ぶ糸で釣る
背もたれにすがりたかった朝
暗きエーデルワイス
ほんとうの友人も屍よ
さらされて流されて
小麦はとうに畑を見限った
食卓にひげそりは並ばせない
権威はわたしの体を飛礫でうつ
守歌は貸し借りした木の下で
薄い眠りは出会う
あたしがやめない記憶





やすりで心をけずらないで
小さなスペースに黄金を築いた
あなたがあなたに優しい日
嫁になぞ行くのか少年
わたしはあなたの若さが恋しい
氷のひびが届く頃には
アルコールに彷徨う
白い受話器を夢見て祈る
誰の背中も寒くはならんように
こころを殺して箸をつく
きみは火星にだっていける
五郎を忘れないで
海水浴のすすめ
裸足のためのだるまストーブ
伯爵のぱんつ
野原の心中
ぼくらのマドンナの水葬
あの塔から落ちる日
赤きあやとりタワー
ミスターネットサーファー
一角獣の夢
昭和生まれ連続殺人事件
耳は闇を聞いている
こころは水のやうに
背番号オー・オー
山のくりぬき
タヌキちゃんカッパちゃん
ひとり相撲日記
ぼくらは弟を分担する
あなたの眼のこと、旅のこと
枠の中
パパのデストロイヤル
先生はのっぺらぼう



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